フロント・ランナー

フロント・ランナー

パトリシア・ネル・ウォーレン
北丸雄二訳


 セクシュアリティネタとしてあつかうべきか? とも迷ったので、両方にカテゴライズ。


 ぶっちゃけ最初の方とか、かったるいです。全体の語り口調(文体?)もなんだか堅苦しい感じがします。主人公の視点から書いてあるから、主人公の生真面目さの表れともいえるけどさ・・・。
しかし! 少々難儀でも、我慢して読み進め!!
ラストスパートはマジ感動!
「ひーんひんひん!!」って、まじでしゃくりあげて泣いたよ。哀しいなぁ・・・。
いや、悲劇にすることでゲイを美化するとか、そういう話じゃありませんから、安心してちょ。
ネタバレするのがいやなので多くは語りませんが、アマチュア陸上の世界とか、その中でのゲイの扱いとか、世間のバッシングとか、社会派でハードな要素をふんだんに取り込みつつ、純愛で悲哀ですよV 
告発小説とも取れるし、純愛小説でも、スポコン小説でもあります。腐女子(009)的には49小説でもあります。



 腐女子的な観点から言えば、汗がどうのとか胸毛がどいうの、極めつけに『私が欲しかったのは、単に、彼のショーツ股間をいっぱいにしているものだけではなかった。』などという萎え萎え、というか、本を閉じて現実逃避したくなるような表現があります。
ヤオイには見当たらない表現ですが・・・・、ごめん、正直「おえっぷ・・・」って思った。
このような表現が出てくるのは全体の比率からすればそう高くないし、ストーリーがとてもよく作りこまれていておもしろいのでいいんだけど、なんにしろ、他人に薦めるのは躊躇するな。
 とりあえず、ハーラン→4様 ビリー→ジョーたん ヴィンス→ジェッた で、萌え。
だってだって!ハーランの自分の恋心を押さえ込むトコとか、ビリーの頑固さと一途さとか、ヴィンスのやんちゃっぷりってか傍若無人ぶりってかが・・・・ばっちしだよー!!!
 特に後半のヴィンスは萌え萌え。ああかわいいヤツめ・・・

 まじめなゲイ小説に萌え萌えいうのはなんだか失礼な気もしますが、おおよそ地球上のあらゆるものに萌えを見出すのが腐女子とおもっていますんで、そこんとこカンベン。

 あー、ひさしぶりにいい本読んだ。本当に、ラストの展開は、ドキドキさせてくれます。ハリポタより断然おもしろいってばよ。。。