• 良い肉の日

さて!今日はひさかたぶりに文章でもアップしてみましょう。
それというのも、ラクガキの整理をしていたら、むかーし書いた文が出てきたからなんですが(汗)
同じ紙に『知恩院』とか走り書きしてあるの(笑)受験生め、勉強しろよ。


 顔を横に向けて寝ていたオレの髪をすく手を感じる。
誰かに髪をすかれる、心地よい感触にぼんやりと意識が浮上する。
浮上はするが、覚醒とまではいかない中途半端なまどろみ。

 「―――ン」

 息を吐き出したついでに出ちまった声に、その手は一瞬動きを止めたが、オレが狸寝入りを決め込むと再び髪をすき始めた。
「誰か」っていったって、ヒトの部屋に勝手に入ってきてこんなことをするやつは一人しかいないワケで、オレはその手を取ると自分の唇に押し当てた。

 「モーニン、ジョー」

 そいって見上げるオレの目に映ったのは、はたして驚き頬を赤らめたジョーお顔ではなく、それもこれもあたりまえというようにはんなりと微笑むジョーの顔だった。

 「おはよう。おねぼうさん。」

 ジョーは小さく笑って、空いている方の手でオレの前髪をかき上げ額にキスを一つ落とした。
 思いもよらぬ展開に、ぽけっとしているオレに向かって、ジョーはくすくすと笑って口を開く。

 「手にキスするなんて、朝からちょっとキザすぎるんじゃないかい?」

 堪えられないというようにくすくす笑うジョーに、オレはただ仏頂面でそっを向いた。

 「それに、君、寝たふりヘタだし。」

 「ンな!気づいてたのかよ!」

 「すぐわかるよ。君は思ってることがすぐ顔に出るからね。」

 ぐいと上半身を起こして聞き返す。

 「なんて書いてあったんだよ。」

 「ホントとは起きているけど、気持ちいいからもう少し寝たふりしていようって書いてあったんだよ。」

 そして、ほら、もう起きて、とオレをせかす。
結局のところ、コイツにはいつだってかなわない。
オレはますます仏頂面で、なぜだかそこはかとなく機嫌よさげなジョーの後をついてリビングへと付いていった。


 おわれ




*1

*1:たわいもない話ですね、我ながら。